山陰本線 全線全駅完乗の旅 1日目(京都〜円町)

旅の地図。

目次

プロローグ

今回から新たに山陰本線の全線全駅完乗の旅を始める。山陰本線は京都から山口県の幡生までを結ぶ全長676.0km、駅数にして160駅という、支線を含めなければ日本最長の在来線路線なので、1年くらいかけてぼちぼち乗り潰していこうかなという計画である。

京都きょうと

  • 所在地 京都市下京区東塩小路町
  • 開業 1877年(明治10年)2月6日
  • ホーム 9面14線
路線図(京都)。
京都駅舎。
京都駅舎

2016年4月4日の10時少し前に京都駅にやってきた。今日は雨の予報だったのでしっかり折り畳み傘までもってきたが、運がいいのか悪いのか到着した時には雨はあがっていた。

まずは駅周辺を見て回るべく中央改札へと向かうが、とにかくここは人が多くて数少ない有人改札から出る私は簡単には出られない。ひとり進むとまた改札駅員と長々とやり取りするといった具合に渋滞している。

京都駅中央口。
京都駅中央口

ようやく改札を抜けるとすぐ近くにコインロッカーがあったので、さしあたって必要のない荷物を入れておく。ところが荷物を入れた後で100円玉3枚がないことに気が付き焦る。運良く隣に居たおばちゃんに両替してもらって事なきを得たが、なんだろうかこのグダグダな滑り出しは。

さて身軽になった所で駅舎を見て回るが、京都駅を訪れるのは旧駅舎の時以来で、すっかり様変わりしてまるで別な駅のようだ。

京都きょうとタワー

まずはどこへ向かうか考えるが、京都は見所が沢山あるから迷う所だ。ただまあ京都周辺は私鉄も含め駅が多く何度も来る場所なので、ここは京都駅から最も近場にある京都タワーに行ってみる事にした。

駅前にそびえる京都タワー。
駅前にそびえる京都タワー

京都タワーは駅を出るともう目の前にあり、迷うようもなくすぐ到着する。まずは券売機でチケットを購入すると770円だった、まあタワー系としては普通の値段かな。

あとは展望室へ行くだけなのだが行き方がわからず、ここにきて右往左往してしまう。大抵観光地というのは説明など見なくとも、人の流れに乗れば半ば自動的に先へ進めるのだが、意外にもここは観光客の姿がまるでない。おかげでエレベーターに乗るのにも、これで合っているのか不安になるレベルだ。

人気のない展望室。
人気のない展望室

エレベーターを乗り継ぎ展望室までやってくると、ここも数えるほどの人しかいない。おかげで静かな中ゆっったりと景色を楽しむことができた。これだけ人がいないのは平日午前中な上にこの空模様だからだろうか。

周囲をぐるり見て歩き、眼下を走りゆく新幹線などを眺めて、結局15分ほどの滞在で駅へと引き返した。

眼下を走る新幹線。
眼下を走る新幹線

京都駅に戻り相変わらず混雑している中央改札を抜け、これまた混雑している山陰本線のホームへと向かう。途中駅弁を販売しているお店があり美味そうなのだが、こういうこまめに下車する旅では食べる間がないので手を出せないのが残念。

本日最初の列車は33番線で発車を待つ亀岡行きの普通列車で、この列車の隣にある34番線は日本一大きい数字のホーム番号だったりする。どれだけ大量のホームがあるんだという感じだが、15〜29は欠番なのでそんなに大量のホームがあるわけではない。まあそれでも十分に多いけど…。

車内に入るともう満席なので、最前列で前面展望を楽しみつつ次の丹波口へと向かった。

普通列車の亀岡行き 1237M。
普通 亀岡行き 1237M

丹波口たんばぐち

  • 所在地 京都市下京区中堂寺南町
  • 開業 1897年(明治30年)4月27日
  • ホーム 1面2線
路線図(丹波口)。
高架下にある丹波口駅舎。
高架下にある丹波口駅舎

梅小路のSLを横目にあっという間に丹波口に到着。この駅の開業は明治30年と物凄く歴史があるのだが、ホームも駅舎もそういった歴史を感じさせる部分がまったくない駅である。

駅を出て周囲をひと通り歩いてみると、駅の脇に「京都、二条間高架化工事竣工」の碑がポツンと設置されていた。昭和51年竣工とあり、このあたりが駅に歴史を感じさせない理由なのだろう。

丹波口駅前の道路。
丹波口駅前の道路

梅小路公園うめこうじこうえん

駅のすぐ隣には片側4車線の広い道路が通っていて、特に興味を引くものは見当たらなかったので、線路伝いの狭い道路を京都方面へと歩いて行く。近くの梅小路公園に京都市電の車両が保存されているそうなので見てこようという訳だ。

道沿いには中央卸売市場があり、昭和59年まではここに京都市場駅があったらしい。狭い道路だが市場に出入りする車で賑わっているので何とも歩きにくい。京都鉄道博物館や京都水族館などもあり、もう少し何とかならないのかと思ったら、2019年に梅小路駅が設置される予定らしい。

梅小路公園の案内所となっている車両。
梅小路公園の案内所となっている車両

公園に入るとすぐに京都市電の車両が出迎えてくれる、屋根無しだけれど錆も見られず美しい状態でよく手入れされていて、土・日・休日は総合案内所として利用されているようだ。

この向かい側には京都鉄道博物館があり、まだオープン前だが内覧会があるらしく家族連れが続々とそちらへ向かっている。すぐ近くにあるこの車両はほぼ素通りで、そういえば自分も昔ここには来たのにまるで記憶にないなぁ…。

桜の美しい梅小路公園。
桜の美しい梅小路公園
梅小路公園の桜。
梅小路公園の桜

京都鉄道博物館の方は内覧会では自分には関係ないので公園の奥へと進む。公園の桜が満開で雨上がりのしっとりとした空気と相まって美しい。池には鴨が泳いでいて、先程の京都駅の喧騒とは打って変わって落ち着く場所だ。

市電カフェ&市電ショップ。
市電カフェ&市電ショップ
レトロな雰囲気の市電車内。
レトロな雰囲気の市電車内

奥へ進むと”市電ひろば”があり京都市電の車両が4両保存されていて、ここは屋根付きで雨ざらしではなく周囲も含めて美しく整備されている。手前の2両はカフェとショップになっていて、奥の2両は車内に入って休憩等が出来るようになっていた。

市電カフェのメニュー。
市電カフェのメニュー

この市電カフェは平日のこんな天気でも割とひっきりなしにお客があり賑わっている。ここでしか手に入らないという”カタカタつりわぱん”は、お土産にするには丁度良さそうで旅の最終日であれば買ってたかもだ。

梅小路パークカフェのカルボナーラピザ。
梅小路パークカフェのカルボナーラピザ

桜と京都市電で一通り楽しんだので丹波口駅に戻ろうかと思ったが、時刻が12時半とお腹が空いてきた事もあり、ふと目に止まった公園内にあるカフェのピザが美味しそうでフラフラっと店内に吸い込まれてしまった。

そして何を思ったか”カルボナーラピザ”を注文してしまい、まさに衝動食いである。基本的に地元的な物を食べるようにしているので、せめてそこは”京野菜マルゲリータ”だろうと今になって自分に突っ込みたくなってしまう。

普通列車の亀岡行き 1245M。
普通 亀岡行き 1245M

何にせよピザはなかなか食べごたえがあり、満腹となって満足した所で足早に丹波口駅へと戻り次の二条駅へと向かう。

二条にじょう

  • 所在地 京都市中京区西ノ京栂尾町
  • 開業 1897年(明治30年)2月15日
  • ホーム 1面2線
路線図(二条)。
桜並木の美しい二条駅舎。
二条駅舎

本日3駅目の二条駅はホームへ降り立つと、ドーム状で木材を使った特徴的なホーム上屋に目を奪われる。こういう線路上も含めて全体を覆う屋根は珍しく、さらに木材をふんだんに使っているのは凄いなあ。さらに外に目を向けると駅前の桜が満開で美しくいい駅だ。

先代の荘厳な木造駅舎(移築保存されてるけど)が建て替えとなったのは残念だけれど、新駅舎もなかなか頑張っているのではないだろうか。

特徴的なホーム上屋。
特徴的なホーム上屋

駅は高架駅となっており、二階のホームから高架下の駅に降りると、東西どちらの側にでもそのまま出ることができる。どちらも桜並木がある同じような雰囲気で、駅前では餌をやる男性に鳩が群がっていた。

二条城にじょうじょう

さて二条といえばやっぱり二条城だろうという事で歩いて向かう。こういう有名な観光地は特に地図等は見なくても、周囲の観光客の流れに着いて行けば到着するので簡単だ。

そんな具合に歩いて15分ほどで東大手門に到着するが、残念ながら工事中でシートに覆われており大きいことはわかれど、その姿を見ることはできない。さすがにここは京都タワーとは違い外国人観光客でごった返しており、券売機に並んでチケットを購入する。

二条城 唐門。
二条城 唐門

入城して唐門を抜け、まずは二の丸御殿に行ってみたが残念ながら内部の撮影は禁止なので、目に焼き付けるのみだ。あまりに人が多くてゆっくり見て回るという感じではなく、どちらかというと流されていくという感じである。

天守閣跡からの眺望。
天守閣跡からの眺望
二条城の枝垂れ桜。
二条城の枝垂れ桜

その後は庭園や天守閣跡を回っていく、特に枝垂れ桜が美しかった。気がつけば1時間以上滞在していて、そろそろ次に行かないとまずいので小走りに駅まで戻る。

このあたりは列車本数が多いので、すぐ園部行きがやってくる。下り列車は2番線に入るのだが、何を勘違いしていたのか1番線で待っていると逆方向から列車が来て焦る。おかげで写真も先頭を撮影の予定が最後部となった…。

普通列車の園部行き 251M。
普通 園部行き 251M

車内の方はいつも通りに混雑しており、この区間の列車に乗って空いたいたということが一度もない。あまり途中駅からは乗りたくない区間である。

円町えんまち

  • 所在地 京都市中京区西ノ京円町
  • 開業 2000年(平成12年)9月23日
  • ホーム 1面2線
路線図(円町)。
高架下の円町駅舎。
高架下の円町駅舎

ホームに降り立つと二条と同じく上屋には木材が使われていて、都市部の新しい駅らしからぬ雰囲気を作り出していた。形としては単なる上屋そのものなので、二条駅で感じたような凄さはないけど、素っ気ない作りの駅が多い中で好印象が残った。

階段を下りて高架下の改札を通り抜けてと構造は至って普通だが、開業が平成に入ってからと新しく、後付けの駅だからか全体に窮屈さを感じる。駅前もなんとか土地を確保したという感じで、裏手に至っては目の前まで普通の民家が迫る。ここは多数のバス路線が通るのでもっと大きな駅を想像していたので少し意外だった。

駅前に出ると近所のお年寄りだろうか、花壇の縁石に腰かけて話し込んでいた。

平野神社ひらのじんじゃ

バスとの接続が良い駅なので行こうと思えば色々な場所が考えられるが、4月ということで桜で有名な平野神社に向かう事にした。およそ60種400本の桜があるそうなので、これは外すわけにはいかない。

平野神社まではおよそ2kmほどの距離がある。当初はバスに乗ろうとバス停の近くまでは行ったのだが、これがまあ混雑していて急に乗る気が失せてきた。何より歩けない距離ではないのだから20分ほどかけて歩いた。それに歩けない距離でもないところに230円出すのが惜しくなったというのもある。

平野神社。
平野神社

平野神社の境内は無数の桜に彩られていて見事なものだった。参道には出店がどこまでも並んでいて、大勢の花見客で賑わう様子はまるで祭りにでもやってきたようだ。日没が近いこともあり桜並木の中で出店の暖かな灯りが並ぶのがまた美しい。

桜の通り抜けという庭園のような一角もあり、ここは飲食禁止なだけあってか人出は少なめで、静かに鑑賞して歩くことができた。

拝殿には10人ほどが列を作ってはいるが大した混雑ではなかった。やはり大部分の人たちは出店の並ぶ一角に集中しているようだ。そうして参拝を済ませて境内の桜を一通り見て回ると時刻は17時近い。

平野神社の境内。
平野神社の境内

時間的に次の駅に行けないこともないが、この時間では観光施設は終了してそうだし、1時間程度で済まさないと日も暮れそうなので、今日はここで京都に戻ることにした。神社近くのバス停には列が出来ていたので帰りもまた徒歩である。

エピローグ

路線図(エピローグ)。

京都行きは例によって激しく混雑していてドア横に立っていく。次の二条ではさらに乗客が増えて足の踏み場もない状態になる。さらに丹波口のホームにできた乗客の列を目にして、車内はこれ乗れるのか? といった雰囲気が漂う。乗る方も強引に押し入ってくる感じで1駅だから何とかなったが体勢が無理すぎる状況であった。

普通列車の京都行き 260M。
普通 京都行き 260M

往路は各駅ごとに降りて忙しいから、帰りの電車ではのんびり車窓を眺める流れのはずがそれどころではない。大混雑の中なんとかかんとか京都駅に到着して、まずは京都〜円町間の上下線&全駅乗降が完了した。

さすが京都は見どころが多くて、どの駅も長居をしてしまい初日にしてわずか4駅しか進めなかった。事務的に乗り潰すのではなく楽しむ事が重要なので別に良いのだが、あと156駅をこのペースでいくと40日位かかりそうである。

京都駅に到着した260M。
京都駅に到着

(2016年4月4日)

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