登山で使用するカトラリーには、モンベルから発売されている「スタックイン野箸」を使用している。なんだそれはという感じのする名前だが要するにアウトドア用の箸である。
以前は軽量で丈夫でひとつあれば何にでも使えるものが良いと、フォークとスプーンの機能を併せ持ったチタン製のスポークを使用していた。これならスープから麺類まで何でも食べることができ、しかも調理にも使えて完璧なはずであった。ところが金属製であるが故にクッカーが傷だらけ、調理後に食べようとするとスポークが熱くて口につけるのも大変、主食たる麺類は思いのほか食べにくいと散々だった。
カトラリーは金属製のスポークより木製の箸が良いという結論に至ったが、割り箸ではゴミが際限なく増えるし、普通の箸では長すぎて収まりが悪い。どうしたものかと考えていた時に見かけたのがこの箸だった。試しに使ってみたらスポークの不満点を見事に解消してくれ、今や登山のカトラリーにはこれだけを持って出かけている。
この箸のもっとも特徴的な部分は、使用時は普通の箸でありながら、収納時は半分近い長さになるということが挙げられる。本体はアルミ合金で作られた筒状の構造で、その内部に縞黒檀で作られた先端部分を収納できるようになっている。両者はネジにより固定されており、使用時は長いままで、収納時は短いままでしっかり固定できる。ネジの回転もスムーズだ。
使用感はアルミ合金部分が持ったときに冷たいという他は普通の箸と変わらない。先端部は木製なので口にしたときの感触も普通の箸と変わらない。
使用時の全長は21cmあるが収納時は13.5cmまで短くなる。付属のケースに収めても約15cmほどに収まる。この長さが重要で、クッカーにはプリムスのイージークックNS・ソロセットMを使用しているが、その収納サイズが高さ約14.5cmでほとんど同じなのだ。つまりクッカーと一緒にスタッフバッグにきれいに収めることができるのだ。
余計なスペースを取ることなく携帯できる木製の箸ということで、登山では調理から食事にまで活躍してくれり便利な箸だ。ただスプーンの代替にだけはならないので、これプラス折りたたみのスプーンを追加したほうがいいかなとも思っている。
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