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RICOH GR の悪天候とホコリ対策

GR IIIx(GRIIIx,GR3x)で撮影した雨に打たれる笹。

雨や雪の写真が好きだ。見るのも撮るのもいい。悪天候になるほどカメラを手に出かけたくなる。それ故にカメラは防塵防滴であることが望ましい。長年旅を共にしてきたX-T1は雨に打たれても問題なく働いてくれるいいカメラであった。

それに代わって使いはじめたGRは、旅における多くの状況でX-T1より活躍してくれているのだが、明らかに劣っているのが悪天候の時である。防塵防滴ではないので仕方がないし、分かっていたことでもあるが、風雨や風雪といった状況に弱い。たとえ晴れていたとしても砂塵や滝の水煙が舞うような状況にも弱い。

GR III(GRIII,GR3)で撮影した水煙を上げる滝。

特に問題になるのが沈胴式のレンズ周りだ。通常の交換レンズであれば少々濡れようが砂塵を被ろうが気にしないが、GRだと鏡胴にそれらが付着した状態で電源を切ると、内部に取り込む形になるため、トラブルの原因になりやすく気を使う。逆に電源を入れてレンズが繰り出すときには内部に空気を取り込むことになるので、濃霧のような空中に漂う微細な水滴まで一緒に吸っていそうで不安になる。

GR IIIxで撮影した霧の漂う林。

またレンズ前面はレンズバリアのある複雑な構造であるため、携行時や好天時はとても便利である反面、うっかり雨や雪や砂塵がレンズバリアとレンズの間に入り込むと清掃に苦労することになる。沈胴式レンズもレンズバリアもコンパクトかつ速写性に優れた機構で、GRには欠かせないものといえるが、それがために悩まされるのである。

RICOH レンズアダプター GA-1

悪天候の写真好きとしては、トラブルに見舞われそうだからといって撮影を諦めるという手はなく、なんとかすべく試行錯誤することになった。まず試したのがGR IIIのアクセサリーとして販売されているレンズアダプター GA-1。これはワイコンやフィルターを装着するためのもので、それ自体は単なる筒のようなものであるが、保護フィルターを取り付けることで、弱点ともいえるレンズ面と鏡胴を包み込むように保護することができる。

RICOH レンズアダプター GA-1。

ちょうどワイコンを利用しようと購入したものがあったので試してみると、鏡胴周りが密閉される形になりこれは良い。純正品だけあってガタつきはないし、ロック機構があるので外れる心配もない。フィルターを付け替える感覚でワイコンを利用できるのも便利。またフィルター径が49mmと小さいので逆光に強い最上位のフィルターでも比較的安価なのも助かる。気になるのはプラ製で安っぽいことくらいかもしれない。

実用上の問題点としては常にレンズ部が出っ張るようになることで、ポケットに入れるのが困難になることかもしれない。もっとも私の場合は、旅の最中ではバッグやホルスターに収納することがほとんどだし、撮影時は手に持ったまま、状況に応じて簡単に取り外しもできるので大問題というほどではない。そんなデメリットよりもレンズへのダメージが不安になる状況下で気兼ねなく撮影できるメリットのほうが大きい。

GRにGA-1を装着。

どうせレンズ部が出っ張るならミラーレス一眼でもいいといえばそうなのだが、APS-Cサイズのセンサーに手ブレ補正と高性能なレンズの組み合わせ、それでいてこのサイズと重量となると代替品が見当たらない。

RICOH レンズアダプター GA-1
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NiSi レンズアダプター

レンズ周りの保護はGA-1を使用することで一応の解決をみたが、NiSiから出ているGR用の角型フィルターキットを購入したときのこと、付属していたレンズアダプターが使いやすいことからこちらも試してみることにした。

NiSiのレンズアダプターはワイコン装着は考慮されておらず、ロック機構すらないなど、文字通りの単なる筒である。それだけだと劣ったものに思えるが、GA-1ではケラれるため使用できない角型フィルターホルダーが装着できる。そして限界まで切り詰めた形であるため、小さなGRにはより似合うように思う。またアルミ製で質感に優れることや、GA-1よりずっと安いという点もポイントが高い。

NiSIフィルターアダプター。

当初はロック機構がないのは欠点のように思えたが、半年ほど使い込んでみても勝手に外れるようなことは一度もなく問題にはならなかった。それどころか太陽のような強い光源が画面内に入るような、フィルターを外したくなる状況では、カメラを構えた状態から片手ですんなり着脱できるためむしろ便利ですらあった。

この素早く着脱できるというのは、外したほうがいいと分かっていても、外すのが面倒だから付けっぱなしにしがちな、偏光フィルターの使用にも向いている。

ワイコン装着は公式に非推奨となっているが、代わりに角型フィルターホルダーを装着できるので、円形から角型まで多様なフィルターを使うことができるのも良い。

GRに装着したNiSiフィルターアダプター。

GA-1とNiSiのどちらを使うべきか取っ替え引っ替えしてみた結果、わずかとはいえより小さくなること、角型フィルターホルダーが装着できること、外したい時に簡単に外せることなどから、私はレンズ保護にはNiSiのものを利用することに決めた。

レンズフード

レンズアダプターと保護フィルターの組み合わせで、レンズ周りは完全に保護できるようになったが、今度はフィルター表面の汚れが目につくようになった。バッグに出し入れしているだけでも、生地や指に触れるなどして、いつのまにか汚れていたりする。レンズペンで簡単に清掃はできるけど、レンズ周りに気を使うという点では当初とあまり変わらない。それにわずかな逆光でもフィルター面に直射光が当たるのも気になる。

長年レンズには保護フィルターもキャップも付けることはなかったが、常にフードは付けていたので、このようなことが問題になることはなかった。ねじ込み式フードを付けるという手はあるけど、小さなGRでそれをやるとレンズ部の存在感がありすぎる。フードは欲しいけど付けたくはないから困った。

なんとかサイズをこれ以上膨らませることなく、フィルター面の保護と逆光対策ができないかと思案した結果、ステップダウンリングをフード代わりにすることを思いついた。いわゆるフジツボフードの代用である。

ステップダウンリング。

開口部は小さければ小さいほどフードとして有効なので、49-46mmから徐々に小さなものを試していき、ケラれないギリギリのものとして49-37mmに行きついた。偏光フィルターのような厚みのあるものだと少しケラれるので49-40.5mmがちょうどいい。また同じGRでもIIIxだとさらに小さな49-35mmでも大丈夫だった。

使用してみると開口部が小さくなりフィルター面も多少奥まった位置になるため、バッグへの出し入れ程度では汚れることはなくなり、多少なりとも逆光にも強くなった。ポケットに入れる必要がなければ、小さなミラーレス一眼として常時このままでも利用できる感じだ。

NiSiのフィルターアダプターとステップダウンリングを装着したGR。

これで水濡れがトラブルに直結するレンズ周りはなんとかなったが、ボディ周りは無防備なままなので、もしGRIVあるなら防塵防滴を実現させてほしいものだ。沈胴レンズでは厳しいようなら、レンズ周りはこのようなアダプターを利用する形でもいいので、ボディ周りだけでもなんとかして欲しいものだと思う。

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