昭和43年10月1日に高山本線の岐阜〜高山間で、輸送改善工事が完成したことを記念して作成されたメダルで、竣功式の記念品として配られた。
この時の輸送改善ではCTC化や無煙化が行われている。まず昭和43年に岐阜〜高山間がCTC化され、同時に80系を使用した特急「ひだ」の運行が開始された。翌年には残る高山〜富山間もCTC化され、高山本線からタブレットや腕木式信号機が姿を消している。この時に蒸気機関車も全廃されて無煙化が達成された。
メダル表面の図案がこの状況をよく表していて、腕木式信号機をバックに走るSLの下をめくると、自動信号機をバックに走る特急「ひだ」が現れるというデザインになっている。
裏面はCTC化によって姿を消す通票を模したデザインで、実物の3/5サイズになっている。見た目だけ似せているように見えるが、実は素材として本物の通票が使用されていて、CTC化により不要となった通票を鋳造し、造幣局の手により作成されたものだ。
この時に運行を開始した特急「ひだ」の方は、記念券が発行されている。当時は名古屋〜金沢間を1日1往復だけの運行で、所要時間は5時間以上かかっていた。ちなみに高山〜富山間の下りは、ノンストップで1時間24分と現在の特急「ワイドビューひだ」より早かったりする。
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