先日の記事では昭和9年の高山線全通時に使用された、全通記念の押印を紹介したのだが、全通50周年となる昭和59年にも同じような記念押印が存在した。今回はその中から切手帳と絵はがきのセットを紹介する。
切手帳
まずは坂祝郵便局で発行された切手帳で、記念押印の押された切手と、高山線を走る各種SLの写真が一冊に収められている。ちなみに表紙に使われているのは、坂祝駅近くにあるカーブで撮影された80系の特急「ひだ」である。
中を開くと表紙の裏に高山本線の沿革があり、印刷ミスらしく飛騨萩原だけシールになっている。
1ページ目には記念押印の押された切手が並び、高山線に関係があるのは左の1個だけだ。
高山本線全通50周年の押印部分を拡大すると、SLと特急の図案で坂祝専用のデザインになっているのがわかる。日付は全線開通からちょうど50年となる、昭和59年10月25日になっている。
次ページからは、5ページに渡って高山線を走る各種SLの写真が掲載されている。写真は古いものから順に並んでおり、大正時代のまだ高山線の全通前の物から始まる。
2枚目は全通当日の高山駅の様子。
3枚目は乗鞍登山バスに連絡した準急乗鞍号で、その後列車名はひらがなの「のりくら」に変わった。
4枚目は下呂駅に停車中のお召し列車。
最後の5枚目は、高山本線からSLが全廃される直前の9600の姿があった。
最終ページにはスタンプ押印らんが設けられており、切手帳には最終ページの説明として「旅行等の折にでも沿線局の日付印を集印していただくのも楽しいものだと思います」との紙が挟まれていた。
絵はがきセット
もう1点は絵はがきのセットで、郵便局ではなく美濃加茂郵趣会になっている。
中には3枚の押印済み絵はがきが入っており、それぞれ80系ひだ、名鉄8200系北アルプス、高山駅に停車するSLの写真になっている。撮影された場所はそれぞれの押印の局と関係のある場所が選ばれているようだ。
最後にそれぞれに押された押印を見ていく。まずは美濃加茂局の物で、SLがデザインされて最寄り駅の美濃太田の文字が中央に見える。
2枚目は坂祝局の物で、これは先ほどの切手集に押されていたものと同じ押印だ。美濃加茂局と近いだけあってデザインはそっくりで、よくよく見てみるとSLの図案も同じものになっている。そして隣にはなぜだか坂祝駅には停車しない、特急「ひだ」が追加されていた。
最後は高山局の物で、背景は乗鞍岳と合掌造りだろうか、それに宮トンネルを抜ける特急「ひだ」といった感じのデザインだ。
高山本線の全通50周年に関連しては、押印以外にも様々な冊子や記念きっぷなどが発行されており、そちらも何れ紹介していこうと思う。
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