広角ズームレンズ FUJINON XF10-24mm F4 を購入

富士フィルム フジノン XF10-24mm F1.4R OIS レビュー

今更ながらXマウント用の広角ズーム「XF10-24mm F4R OIS」を購入してしまった。

フルサイズ換算で15-36mmと通常使用する広角域を1本でカバーしており、しかもコンパクトかつ手ぶれ補正まで搭載という旅に最適そうなレンズだ。とは思いつつも単焦点レンズばかり使っている私には、いかに便利であろうと無縁な存在でもあった。

今回購入したのはそんな利便性のためというよりも、手持ちの最広角レンズであるXF16mmで対応できないシチュエーションが出てきたためである。

化粧箱
化粧箱

XF16mmが1本だけでも作品作りであれば構図を工夫したり、そもそも撮らないという選択肢もある。だが記録や記念写真となると入り切らないから撮りませんという訳にもいかず、しかもそういう時は往々にして撮影ポジションが制約されることも多く苦労する。そこでこの広角ズームの出番となる訳だ。それに10mmの画角が欲しかったら、フジにはこのレンズしか選択肢がないというのもある。

焦点距離が重複すると片方を使わなくなりそうな予感もしたが、被写体を写し止めたりボケを生かすには明るい単焦点レンズが欲しいし、逆に被写体だけをブラしたい場合は手ぶれ補正があると便利。まあ一緒に持ち歩いても使い分けられるだろう。そして片方のレンズに何かあった時のバックアップにもなる。

付属品一覧
付属品一覧

という訳で早速購入してきて手に取ると、スリムかつズームリングがゴム製ということもあり持ちやすい。角型フードを取り付けたXF16mmと同じような長さに重量だ。とはいえフードを取り付けると当然さらに長くなる訳で、これが花形フードで直径も大きいため結構な存在感である。コンパクトなレンズとはいえ街中で常時持ち歩くにはちょっと大きい印象。

フジのフードはやたら取り付けが硬かったり緩かったりと差が激しいが、これは程よいトルクでスムーズに取り付けられた。取り付け後もガタツキなど一切ない。ただ10mm用ともなると開口部が広くて浅いので、フードだけ付けてフィルターもキャップも付けない私には、バッグに放り込んでおくと前玉を傷つけそうな予感が…。

35,16,10-24で旅の3本セット
35,16,10-24で旅の3本セット

外見は概ね予想通りという感じで特に問題はない。それより実際に使ってみないと分からない操作感の方が気になるところ。恐る恐る各操作部を動かしてみると、ピントリング・ズームリングともに若干重めながら均一な重さでスムーズに回転し、満足のいく仕上がりに一安心。ズームリングだけがゴム巻きで、手持ちの単焦点と見た目が違うが使い勝手は良い。

残念なのは絞りリングにF値の刻印がないところ。開放F値が可変のズームなら仕方ないと諦めもつくが、このレンズは開放F値が固定なのだから謎の仕様である。

そのせいで外見の統一感が崩れるだけでなく実用的にも使いにくい。液晶上でしか現在の設定F値を知るすべがなく、液晶どころか電源を入れる前からF値を確認&設定する事に慣れている身には非常にストレスが溜る。加えて無限に回転するから、感覚だけで素早くF値を大体にセットなんて芸当もできない。

X-T1に装着
X-T1に装着

さてX-T1に装着して撮影に出かけると、バッテリーグリップのない素のボディにはいささかレンズが大きく感じる。重量バランスや操作性は悪くないので、撮影していてはどうということはない(F値刻印がない事を除けば…)。ただ街中での移動時などは無駄に存在感がある感じでカメラバッグに片付けたくなる。

それはともかく換算15mmの画角はさすがに広い。ファインダーを覗いてちょいとズームリングを回せば何でもかんでも収まってしまい、つい足を使うことを忘れてしまう。京都駅前に立てば駅舎からその前にそびえる京都タワーまでまとめて写せてしまい、今までにない画角の広さが新鮮だった。

早朝の京都駅舎と京都タワー

画角の広さといったら電車の座席に座りながらにして、窓枠ごと車窓を切り取ることもできる。足を使わないどころか座りっぱなしである。

電車の窓枠と車窓

便利ではあるがそれと引き換えに写りの方は大したことはない。と思いきやこれが実によく写るから困りもので、これでは単焦点に付け替えるのが面倒になってしまうではないか。

印象はともかく単焦点レンズと撮り比べたらどうなんだろうと思い、XF16mmと同アングルで撮り比べてみると、これが全然遜色のない写りだった。XF16mmはお気に入りのレンズなだけに複雑な心境である。

ならばXF23mmF1.4ならどうかと比較すると、こちらは一目で見分けがつくほどXF23mmの方がくっきり解像していた。単焦点レンズの面目躍如である。XF10-24mmのテレ端は中心部はシャープだが周辺部は何だかボヤボヤしていた。

岩の上に生える木

もう一つ印象的なのは逆光に強いことで、ズームレンズだし太陽を構図に入れたらゴーストが出やすいかと思ったが全然出てくれない。ここで派手にゴーストが発生してやっぱ単焦点じゃないとダメだよな、となる予定が変更である。

逆光でもゴーストは出にくい

しばらく旅に持ち歩いてみたけど、写りではなかなかとケチを付けるところの見つからない優等生なレンズだった。これとXF35mmを持っていけば何でもござれといった感じだ。それだけに絞りリングにF値刻印がないのが残念。

ただ便利すぎてどんどん適当に撮影するようになっていったので、今は意図的にXF16mmを装着してどうしても必要な時だけ取り出すようにしている。