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接写リング MCEX-11 を各種XFレンズで試してみる

FUJIFILM マクロエクステンションチューブ MCEX-11。

フジフィルムのXマウントには、接写リングとして MCEX-11 と MCEX-16 の2種類が発売されている。先日このうちの MCEX-11 を購入したので、使用することで、どれだけ寄れるようになるのか、手持ちの単焦点XFレンズに装着して撮り比べてみることにした。

単純に撮影倍率や最短撮影距離が知りたいのであれば、メーカーサイトに情報が公開されているが、数字だけいくら眺めてもピンとこない。そこでJRの切符をどのくらいのサイズで撮影できるのか、レンズ単体・MCEX-11を装着しての最短・MCEX-11を装着しての無限遠の、3通りで撮り比べてみることにする。

XF16mm F1.4R

このレンズは単体でも驚くほどに寄れるため、接写リングの必要性はまったく感じない。というよりも接写リングを装着すると、寄れすぎて使い物にならなくなる。どのくらい寄れるかというと、MCEX-11装着時のワーキングディスタンスがわずか1mmである。

そのためこのレンズに関しては、参考としてレンズ単体での最短撮影距離による撮影結果のみを掲載しておく。

XF16mm 最短。
XF16mm 最短

XF23mm F1.4R

このレンズは単体でもそこそこ寄れるが、あと一歩足りないという事が多い。XF16mmと比べると単体では全然寄れないことが分かる。

XF23mm 最短。
XF23mm 最短

ところが MCEX-11 を装着すると、フードを外して撮影しなければならないほど寄れるようになる。あまりに寄れすぎてしまいレンズの影が映り込んでしまうほどである。

XF23mm + MCEX-11 最短。
XF23mm + MCEX-11 最短

ただし MCEX-11 を装着したままでは、無限遠にしてもほとんど撮影距離は変わらない。まるで固定焦点レンズのような状態になるので、撮影の自由度は低い。

XF23mm + MCEX-11 無限遠。
XF23mm + MCEX-11 無限遠

XF35mm F1.4R

このレンズは単体でも十分に寄れるので、通常の撮影であればピントが合わなくてストレスが溜まるという事はほとんどない。めいっぱい寄ることで切符サイズの小物撮影までは問題なくこなすことができる。

XF35mm 最短。
XF35mm 最短

MCEX-11 を装着するとレンズ先端から被写体まで、約7cmまで接近できるようになる。

XF35mm + MCEX-11 最短。
XF35mm + MCEX-11 最短

XF23mm と同じで MCEX-11 を装着したままでは、無限遠にしても最短時とあまり変化はなく、切符全体を写すことすらできなかった。

XF35mm + MCEX-11 無限遠。
XF35mm + MCEX-11 無限遠

XF56mm F1.2R

XFレンズの中でも特に寄れないのがこのレンズで、手で触れることのできる範囲にある被写体にはピントが合わないといっていいほどである。焦点距離的には小物の撮影に便利そうだが、そのような用途にはまったく向いていない。

XF56mm 最短。
XF56mm 最短

そんな XF56mm だが MCEX-11 を装着すると一気に寄れるようになる。最短側では切符を画面いっぱいに撮影することが可能となり、レンズ先端から被写体までの距離も20cmくらい離れることができるので使い勝手も良い。

XF56mm + MCEX-11 最短。
XF56mm + MCEX-11 最短

また無限遠にするとそこそこ距離を取ることもできるので、切符サイズの小物撮影には使えるレンズに様変わりである。

XF56mm + MCEX-11 無限遠。
XF56mm + MCEX-11 無限遠

XF90mm F2R

このレンズは単体でも撮影倍率が高いため、マクロレンズのような使い方さえしなければ困るようなことは滅多にない。接写リングを使用するまでもなく、切符サイズをほぼ画面一杯に撮影する事が可能だ。ほとんど無音のAFと相まって、どこへ向けてもスッとピントの合う、使っていて気持ちの良いレンズである。

XF90mm 最短。
XF90mm 最短

MCEX-11 を装着するとどうなるか。ここまで広角から望遠になるほど装着時の撮影倍率は下がってきていたのだが、ここでは逆に XF56mm より大きく写すことができる。

XF90mm + MCEX-11 最短。
XF90mm + MCEX-11 最短

それでいて無限遠にすると XF56mm より小さく写すことができるので、XF56mm に装着時よりずっと使い勝手が良い。

ここまでのレンズと大きく違うところは、MCEX-11 装着時の無限遠の方が、レンズ単体での最短時よりも被写体を小さく撮影できることだ。つまり MCEX-11 装着時の最短から、レンズ単体での無限遠まで、撮影できない距離がないのである。

XF90mm +MCEX-11 無限遠。
XF90mm + MCEX-11 無限遠

いくつかのレンズに装着してみた結果として、広角レンズに装着すると撮影距離があまりに短くなりすぎて使い勝手が悪いことと、望遠レンズになるほど使い勝手が良くなっていくことを実感した。特にXF90mmとの相性は抜群で、装着したままでも撮影範囲に自由度があり、被写体との距離も大きく撮れるので使い勝手が良かった。

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コメント

  1. 有澤J太郎 より:

    初めまして。Tokuvinさんと同じくXユーザーの、有澤J太郎と申します。
    富士フイルムの接写リングが気になり、検索してみたところ、一番目にこちらのブログがヒットしたため、じっくりと読ませていただきました!

    どうやら、接写リングの効果は絶大ですね。僕はたまに、いただきもののケーキなどを撮影することがあります。そしてしばしば「え~、もうちょっと寄れたらなあ」と思います。特に、XF35mmF1.4 R使用時はその気持ちが強いです。

    それだけに、接写リングがあると撮影の幅が広がるなあ、と感心しました。

    マクロレンズよりも安価に、マクロ的機能が味わえる「接写リング」。僕の撮影スタイル(被写体)を見極めながら購入を検討します。参考にさせていただきました!

    • Tokuvin より:

      有澤J太郎さん、はじめまして。
      私の記事が何かの参考になりましたなら幸いです。

      私も小物を画面いっぱいに写したいような時にXF35mmとの組み合わせで使っています。XF35mmとの組み合わせですと合焦範囲の狭さから、離れすぎても近づきすぎてもピントが合わなくなるので、被写体のサイズによっては構図で苦労する面もあるかと思います。

      接写リングはそれほど頻繁に使うわけではありませんが、ポケットにも入るサイズと軽さなのでとりあえず持ち歩いていると、たまに思いがけない活躍をしてくれます。

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